起動しないMacBook Proからデータを救出する完全ガイド
MacBook Proは信頼性の高いデバイスですが、時として予期せぬ問題に見舞われることがあります。
特に、起動しなくなってしまった場合、貴重なデータが失われる可能性に直面し、大きな不安を感じるでしょう。
しかし、諦めるのは、まだ早いです。
本記事では、起動しないMacBook Proからデータを救出するための様々な方法を詳しく解説します。
1. 事前の準備
データ救出を試みる前に、以下の準備をしておくと作業がスムーズに進みます
- 外付けハードドライブまたは大容量USBメモリ
- Thunderboltまたは適切なUSBケーブル
- 別のMac(可能であれば)
- ドライバー(MacBook Proを開ける必要がある場合)裏蓋の開封には特殊 5溝 1.2mmドライバーが必要です。
- SSDが外せるタイプはT5のドライバーが必要です。(機種により必要なドライバーが異なります)
- 静電気防止マット(ハードウェア作業時)
2. セーフモードでの起動
まずは、最も簡単な方法から試してみましょう。セーフモードでの起動です。
- MacBook Proの電源を完全に切ります。
- 電源ボタンを押しながら、すぐに「Shift」キーを押し続けます。
- Appleロゴが表示されたら、Shiftキーを離します。
セーフモードで起動に成功した場合、画面右上に「セーフブート」と表示されます。
この状態で、以下の手順でデータを保存できます
- 外付けドライブを接続します。
- Finderを開き、重要なファイルを外付けドライブにドラッグ&ドロップでコピーします。
- 時間がかかる場合は、最重要ファイルから順に保存していきます。
セーフモードでの起動に成功した場合、MacBook Proの問題が一時的なものだった可能性があります。
通常モードでの再起動を試みてみましょう。
3. ターゲットディスクモードの使用
セーフモードでの起動が失敗した場合、次はターゲットディスクモードを試します。
この方法には別のMacが必要です。
- 両方のMacの電源を切ります。
- 適切なケーブル(ThunderboltまたはUSB-C)で2台のMacを接続します。
- 起動しないMacの電源を入れ、すぐに「T」キーを押し続けます。
- 画面にThunderboltアイコンが表示されたら成功です。
- 正常に動作するMacを起動します。
起動しないMacのハードドライブが、正常なMacに外付けドライブとして認識されます。
この状態で、以下の手順でデータをコピーできます:
- Finderで、外付けドライブとして認識されたハードドライブを開きます。
- 必要なファイルやフォルダを、正常なMacのデスクトップや外付けドライブにコピーします。
この方法の利点は、MacBook Pro本体を開ける必要がないことです。
ただし、ハードドライブ自体に問題がある場合は、認識されない可能性があります。
4. リカバリーモードの利用
リカバリーモードを使用すると、macOSの再インストールやディスクの修復が可能です。
また、ターミナルを使ってファイルにアクセスすることもできます。
- MacBook Proを再起動し、すぐに「Command + R」キーを押し続けます。
- Appleロゴが表示されたら、キーを離します。
- 「macOSユーティリティ」画面が表示されたら成功です。
リカバリーモードでは、以下の操作が可能です
a. ディスクユーティリティを使用する
- 「ディスクユーティリティ」を選択し、起動します。
- 左側のサイドバーで内蔵ドライブを選択し、「マウント」ボタンをクリックします。
- マウントに成功したら、Finderでドライブの内容を確認し、外付けドライブにファイルをコピーできます。
b. ターミナルを使用する
-
- 画面上部の「ユーティリティ」メニューから「ターミナル」を選択します。
- 以下のコマンドを入力して、Finderを起動します。 Copy/System/Library/CoreServices/Finder.app/Contents/MacOS/Finder &
- Finderが起動したら、通常通りファイルをコピーできます。
リカバリーモードは、システムファイルに問題がある場合に特に有効です。
また、ここでmacOSの再インストールを行うこともできますが、データが上書きされる可能性があるので注意が必要です。
5. 外部ブートディスクの使用
MacBook Proが内蔵ドライブから起動できない場合、外部ドライブからの起動を試みることができます。
- macOSがインストールされた外付けドライブを用意します(別のMacで作成可能)。
- 外付けドライブをMacBook Proに接続します。
- MacBook Proを起動し、すぐに「Option」キーを押し続けます。
- 起動ディスクの選択画面が表示されたら、外付けドライブを選択します。
外部ドライブからの起動に成功したら、内蔵ドライブのデータにアクセスできる可能性があります。
Finderを使って、通常通りファイルをコピーしてください。
6. シングルユーザーモードの活用
シングルユーザーモードは、コマンドラインインターフェースを使用してMacにアクセスする方法です。
この方法は上級者向けですが、他の方法が失敗した場合の選択肢となります。
-
- MacBook Proを再起動し、すぐに「Command + S」キーを押し続けます。
- 白い文字のコマンドラインインターフェースが表示されたら成功です。
- 以下のコマンドを順に入力します。
/sbin/fsck -fy
/sbin/mount -uw /
-
- これでファイルシステムがチェックされ、読み書き可能な状態でマウントされます。
- 必要なファイルを外付けドライブにコピーするには、以下のようなコマンドを使用します。
cp -R /Users/YourUsername/Documents /Volumes/ExternalDrive/
シングルユーザーモードは強力ですが、誤操作によるデータ損失のリスクもあります。
慎重に作業を進めてください。
7. ハードドライブの取り出し
最後の手段として、MacBook Proを分解してハードドライブを取り出す方法があります。
この方法は保証が無効になる可能性があるため、他の全ての方法を試した後にのみ検討してください。
また、2916年以降のモデルには注意が必要です!オンボードSSDが採用されていますので取り外しはできないモデルがほとんどです。
- MacBook Proの裏蓋を外します。特殊 5溝 1.2mmが一般的です(内部は機種によって必要なドライバーが異なります)。
- 内蔵ハードドライブまたはSSD(T5トルクス)を慎重に取り外します。
- 外付けケースに取り付けます。
- 正常に動作するMacに接続し、データをコピーします。
この方法は、ハードウェアの知識と適切な工具が必要です。
不安がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
8. データ復旧サービスの利用
上記の方法全てが失敗した場合、専門のデータ復旧サービスの利用を検討してください。
これらのサービスは、高度な技術と設備を使用して、物理的に損傷したドライブからもデータを救出できる可能性があります。
ただし、データ復旧サービスには以下の注意点があります
- 高額な費用がかかる可能性がある
- 完全なデータ回復は保証されない
- 機密データを第三者に預けることになる
信頼できる評判の良いサービスを選ぶことが重要です。
9. 予防策:定期的なバックアップの重要性
データ救出に成功したとしても、この経験から学ぶべき重要な教訓があります。
それは、定期的なバックアップの重要性です。
a. Time Machineの活用
macOSに搭載されているTime Machineは、簡単かつ効果的なバックアップ方法です。
外付けドライブを接続し、Time Machineを設定するだけで、自動的に定期バックアップが行われます。
b. クラウドストレージの利用
iCloudやDropbox、Google Driveなどのクラウドストレージサービスを利用することで、オンラインでデータを保護できます。特に重要なドキュメントは、ローカルとクラウドの両方に保存することをおすすめします。
c. 手動バックアップ
重要なプロジェクトの作業中は、こまめに別の場所にファイルをコピーする習慣をつけましょう。USBメモリや外付けドライブを活用してください。
d. ブート用外部起動ディスク」作成
macOSのインストーラーを使って、起動可能な外部ドライブを作成しておくと、緊急時に役立ちます。
10. トラブルシューティングのヒント
データ救出の過程で遭遇する可能性のある問題とその解決策をいくつか紹介します:
ドライブが認識されない
- ケーブルの接続を確認する
- 別のポートを試す
- 別のケーブルを使用する
ファイルが見つからない
- 隠しファイルの表示設定を確認する
- ターミナルを使用してファイル構造を確認する
コピー中にエラーが発生する
- ディスクのエラーチェックを行う
- 小分けにしてコピーを試みる
パスワード保護されたアカウント
- 可能であればパスワードヒントを使用する
- ファイルシステムレベルでのアクセスを試みる
ドライブの物理的な損傷
- これ以上の損傷を避けるため、専門家に相談する
まとめ
MacBook Proが起動しなくなった状況は確かに厄介ですが、あきらめる必要はありません。
本記事で紹介した方法を順番に試すことで、大切なデータを救出できる可能性が高まります。
ただし、これらの方法にはそれぞれリスクが伴うことを忘れないでください。
不安がある場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
最後に、この経験を教訓として、定期的なバックアップの習慣を身につけることが極めて重要です。
Time Machineやクラウドストレージなどのツールを活用し、大切なデータを常に複数の場所で保護しましょう。
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